慶応二年 秋

武田ー!円満退職おめでとう武田ー!!!!いろいろ引っ掻き回してくれましたが最終的にどんな意図であれ「ここではない」とアンマッチを自覚し、そして踏み出してくれて嬉しかったです。世界を革命する力を。君は御伽草子でこそ輝く人材だってアタイ信じてるよ!!!

という武田の話は置いといて、このルート二人、それぞれ違う方向に「他人のことをどう思ってるのかわかりにくい」という共通点を見出しました。斎藤は無口ながら誰に対しても同じような距離感。機嫌に左右されない圧倒的な安心がある。だからこそ御陵衛士への潜入も受け入れられたのは間違いない。風間は「鬼か、鬼以外か」がまず最初にくるし、鬼の中でもすべてに対して上から目線という平等っぷりですからね。それで「この人自分のことどう思っとるんやろ」が「まあ悪いようには思われてないよね」と受け取られるのが斎藤、「受けて立ったるわ」を呼び起こすのが風間。

〇斎藤編

やらかし三羽烏の中でも自分に自信がない感じで早々に空回り始めて、その重厚な声とのギャップもあって特にアイタタタな印象がぬぐえないのが武田なわけですが(三木三郎は兄貴と一心同体な安心感があるし、谷は擦れてるというか根本的にズレてるというか絶対それどころじゃないのに謎の余裕を感じる。そういや谷も兄弟いたわ)、斎藤は彼への姿勢が淡々としてるので、ある意味優しくも尊重してるようにも見えるんですよね。必要以上に追い詰めない。これがなんとなーくいい感じの…ぬるっとした脱退につながったんじゃないかな。千鶴も彼の意図、配慮を理解したうえで自由。自分からおとりになることを提案したり斎藤を信じて武田と二人きりになる判断をしたり、素直に信頼しあっている様子には癒されます。

あとはエピローグの食のこだわりの薄さ語りが記憶に残りました。むしろ気合入れる方だと思ってましたが(豆腐ネタは色々見る、OVAの鮎で「腕が鳴るな」)好きなものは自分でやりたいし自信もあるけど、「自分の領分」と認識した以外についてはこだわらないし、最低限、シンプルに済ませたいのか。あえて選択肢を絞る在り方も、自分が「こう」と決めたことに徹底的に誠実であるためのひとつの方法ですね。

〇風間編

おー、斎藤ルートのヴィランと共有する形とは。ワイは薄桜鬼に関しては、選択の度にそこに至る過去まるごと変わってくる方式、「違う世界でよく似た瞬間があった」というものだと受け止めてます。この風間が斎藤ルート路線に入る気は到底しないし武田も伊庭ルート行かない。行ったらあかんのや(肩を掴んで止める)。

このルートのハイライトは怒涛の質問攻め。鬼の常識に無知なのはまあそういうもので、それでいいとして、受け答えの明瞭さ、千鶴の伸びしろをみてるんだなあと思いました。そんな中でも「母親がいないはずだが」という言葉には気遣いが垣間見える、徹頭徹尾年長者のふるまい。こういう責任ある男が「自分の動きについてどう思うか」という問いを投げかけること自体が千鶴を認めている証かと思います。そのうえで自分は鬼の頭領として、彼女の保護者・後見人としてあるべきか、妻という共同経営者として迎えるか、そんな時間だったのではないでしょうか。千鶴のほうはそういう事情が一切腹落ちしてないけど、それでもコミュニケーション自体はかみ合ってるのが風間ルートらしいと思います。

カルタとかゲーム的なのも全力で試しそうだなあと思った。
「ウノと言っておらんぞ」とかもためらいなく指摘しそうだなあと思った。
劇場版から「風間にすればいいのに(川井先生)」「幸せにしてくれそう(監督)」とかすーごいおいしいポジですね。

<味わいメディアミックス>

1.正統派若手上司部下

斎藤と千鶴ってそんな感じ。TV版5話冒頭(綱道の手がかりが空振りで気落ちする千鶴に「大丈夫か」と声掛け)のような気遣いもそうですが、何より、内容によるけど、千鶴を人手にカウントする、「一緒に仕事する」のがとても自然体なのが斎藤の特徴かと。京都特別編では猫騒動の始末に巻き込んだり、OVAではおにぎりお手伝いだったり、碧血録ファンブックドラマCD「十五夜花」ではお月見準備だったりと、「信用する」となったらしっかり受け入れるんですね。映画特典「守るべき掟」でも丁寧に局中法度について説明したり、沖田から庇ったり、完全に「素直で教えがいのある後輩が入ってきた先輩のウキウキムーブ」なんですわ。

2.いいんだ?

TV版では土方ルートを踏襲しハッスル☆はぐれ鬼飛び出していけ津軽海峡冬景色な風間でしたが、雪華録で一族の長としての責任感、また個人的な嗜好をみせてくれました。ただヤベくないかというかそれでいいんだと思ったのは八瀬サプライズ訪問時。風間が「千姫に刀をちらつかせる」というヤバムーブ決めてるからかすんで見えますが、ここ天霧も、制止が「双方、引きなさい」「いつまでも隠しおおせるものではない」という、そもそもそこは「殿中でござる!殿中でござる!」並みに止めるところじゃないんだ!?相手千姫やぞ!?十鬼記事を書いた今はいっそう衝撃を感じますね。いいんだ…いいんだ…?