世代編~闘争ジェネレーション

十鬼衆の一番不思議なところはどこだと思いますかと問われたら、私は若年と超ベテランしかおらずいわゆる中堅~責任世代的な年齢層がごっそりおらんこと、と答えます。どれだけ高く見積もっても30代入ったぐらい…か…?いやどうか…?の次はもうオーバーエイティ。彼らの健康寿命はたぶん人間よりかなり長いけど、人生五十年をはるか彼方に置き去りにして生涯現役、敬老精神いずこにありや。

1.父ちゃんはどこだ

このころ鉛筆ペンにキャンバスのテクスチャ強めにかけたらなんか手描きっぽいような気がする!で使いまくってた。

アンタは本当にどこなんだ幕末三大迷惑父ちゃんよぉ(もう二人はヒヲウから)。

すみません。どうにもこうにも、鬼さん達の実の両親の影が薄すぎるのはあると思うのですよ。

千歳ルート、「あなたの身に何かあったら里はどうなるのか」という雪奈ちゃんの問への答えが「俺が前の頭領から継いだみたいに~」だった記憶なんですよね。ヘイヘイボーイ、立場と名前のわりに生き様刹那的すぎんかというのは置いといて、この「前の頭領」が実の父・兄としたらちょっと表現が遠すぎる気がしました

ここはもしかしたらですが、とにかく鬼は長生きだから、頭領の実の子を「頭領見習い」という中途半端な立場におさめておくのがもったいない⇒どっかの責任者に⇒本家の頭領は孫ひ孫世代に直接パス な相続をしてる可能性は…どうですかね。里の様子からお家騒動とはなさそうなのに当代と先代とで精神的な距離がある状況の理由付けとしては。末子相続みたいだね。

そんな鬼世代若年組のおおむね親世代(40後半~60)がちょうど人間ズにヒット、たけちゃん以外なんとなく全員「親を慕う子」的なムーブを見せるのが面白い。それも友達親子、もはやべったりといっても過言ではない生き方の指標、わがままを言う相手とよりどりみどり。

もちろん若年組は実際若いのですが、家の長という「血縁地縁序列責任がんじがらめな立場同士で交流する」というストーリーラインが、彼ら彼女らのまっすぐな格好良さを表現するにあたって絶妙に食い合わせの難易度を高めている気がする。薄桜鬼では新選組サイドは全員…千鶴さん含めて全員地元飛び出してきたロケンロー組なので基本何しようが自分のことで完結する、風間は千鶴さんから見て「自分とは常識が違うなりに責任感がすごい」「鬼の常識を曲げてでも自分に協力してくれる」と好感度を上げていった…のに対して十鬼は鬼サイドから、鬼の常識や良識と、それらに照らした彼らの動きの是非が問われるわけで

そんな中で彼らの「親」「先代」は出てこられると建前上の重要度が高すぎて視点がとっ散らかるので、だったらと潔く何も触れず疑似的な「親」ポジを設定したのかな。そう思うと某ルートは上の世代との葛藤と克服を鬼の中で完結させてるので、やはり「鬼の物語」としてすごい正ルート…真ルートの佇まいです。

2.最年少

公式ページのサンプルボイス(千耶一番左)、なしてこのセリフに。十鬼衆、就任年齢を記録してるようなそんなマメな組織だったんか…(なんだと思っとる)。雪奈ちゃんの就任は相当若かったというかむしろ幼かったのは確かにそうなんだろうなあという。千耶も花結綴り回想ベースだと父を喪ったのは声変わりもしていないころで、シンパシーを感じたのだろうか。ほか相続が急だったメンバーは南雲さん。誰のルートかは思い出せないですがわざわざ「(本来の姿になる方法は)教わってない」的な発言が本人からありましたね。さすがに10代前半は若い、ということのようです。そんで千羽様も相当若くして継いだよな。

3.若さってなんだ 振り向かないことさ

そっかー汐爺は加賀一向一揆(1488-1580)とエリアと年代がモロ被りなんだ。「金剛仁王」も仏教要素だし。うーん、なんかやったな

十鬼衆バラバラ感の原因、畿内を中心に天下の行く末が大きく変わる中、遠く統制がききにくいエリアの当主がよりによってノンブレーキな若手ばかりというのがありそうだなあ。物心ついた時には天下人(秀吉)が地元の大名を臣従させてはいるんだけど火種もあってなかなか平和にとはいかず、ありがたみがつかめない(四国平定+15年、九州平定+12年、奥州仕置+10年)、むしろそれまでの群雄割拠の隙間を縫って生きてきた鬼の里も変化を強いられ、しかし若さゆえに対応する地力がない、姫にお伺いを立てようにも致命的に遠い、じゃあ自分たちで何とかするまだグラついている今しかない!な思考過程。

おじーちゃんズも「十鬼衆の枠組みと序列による秩序」を守りたい保守世代ではあるんですが、先祖返りを忌避したりと姫というか「鬼」の力が今以上に強くなることは望んでないフシがあり、とにもかくにも現状維持、姫のリーダーシップは望まないって感じですね。こう見ると老いも若きも「地元志向」「あんま口出ししないで」「実家は守りたいけど力をガツガツ求めるのはちょっと」で統一感があるんですな、初期十鬼衆…。千羽様お労しい…。

(おまけ調べごと)「そんなことある?」相続

お武家というのはとにもかくにも後につなぐ努力が凄まじい。なんで「藩主のすり替え」で一つカテゴリができとるんやろ(wiki)。桜田門外の変もこのカテゴリになるんですね。「当主が若年でなくなったので年が近い従兄弟をそれと偽って押し通した(南部利用)」」を知った時は驚きました。そんな金田一少年的な…ではなく、お家のつつがない継承が何千何万の人間の生活を守ることにつながるわけで、こういう「みんなそうと知ってるけど建前を守るために頑張る」話は好きです。取り締まる立場の偉い人が「いやーこまったなーところでさー(棒)」みたいに助け舟を出す展開も好きです。南部のお話は遠巷説百物語がおすすめです。みんな遠野行こうぜ。レンタサイクル乗ろうぜ。

遠巷説百物語聖地巡礼・デンデラ野。駅(旧城下町エリア)から十数キロなんですがまさか歩いて通ったのか宇夫方氏。