NOIR ORIGINAL SOUNDTRACK Ⅰ(6-8)

6.ode to power

 うーん、これは絶対よくないこと考えてんな。倫理を投げ捨ててる音がする。
 冒頭の打楽器がやけにウキウキ楽しそうなのに、低い音が滑らか~に続いていくのが怖いし謎の電子音も不気味。でもただ恐怖を煽る系の音作りではなく、なんだろう?と惑わすようなイメージです。で、何が始まるんですこれから。悪い知らせから頼む。
 これをバックに出てくる奴がカタギなわけないな…という曲。

〇2話 日々の糧 16:00-16:51
 ノワールも顧客も標的も、闇の世界の住人。みんな違ってみんな黒。ミレイユの「どっちもろくなもんじゃないわ」には自分たちもきっと入っている。
 ともあれお仕事の始まりから終わりまで、ソルダの意向とは関係なく、残酷な悪意が珍しくもないこの世界で、それでも二人は生きていくし食事をおいしく感じる人間らしさを守り抜いてる。
 にしても家中ボイスの悪役にはぐっと惹かれるものがありますね。凶悪なだけの人間だった鬼蜘蛛、雑魚妖怪の寄せ集めとして50年彷徨った奈落(犬夜叉)、そして監督つながりですと高潔で疲れ果てながら歩みを止められない独裁者・ヴォルク(AVENGER)。
 あえてこのクレッソワ氏からあまり声が離れていないキャラたちを思い浮かべましたが、世の中で擦れに擦れてしまった知的な悪役と言うのにすごくハマります。彼に限らず魅力的なゲスト達もノワールという作品の見どころです。

7.slitude by window

 ピアノから始まりアコーディオン(多分)が続ます。楽器に自信はありません。
 可憐な音で満たされる、休日の昼下がり、な癒し…ですがメイン楽器が交互に来て、そこにごく小さくピリッとしたものが…あるような。それが2:33あたりから調和していく柔らかさ。好き。
 自室で温かい飲み物と本と一緒に楽しみたい曲。

14話 ミレイユに花束を 9:45-10:44
 花、緑、水、土の匂い、汽笛…柔らかなうるおい溢れる回です。クロード叔父さんも目と耳の保養ですわ。ノワールさんはこの回完全オフ。そんな穏やかなパリの裏で進行するあれやそれ。安らいでいたいと思いつつ、違和感がいよいよ目を逸らせないところまで迫ってきたというシーンです。
 気を使いあう3人の距離感、何とも切なくなります。賢明で忍耐強く献身的な叔父さん。改めてコルシカを出た時の姿を見ると若すぎて痛々しい。最後は裏社会に生きる自分の筋を通した、でもミレイユを殺さずに済んだ、ミレイユから相棒を奪わずに済んだと納得していたと信じます。でもミレイユはねえ、引きずるよね(いざ台湾編)

8.romance

 何となく気だるげ、ゆったりギターからのスタート。渋めの落ち着いた曲…と思わせてからの1:13、一気にテンポが速く、華やかになります。何となくラテンなダンスの印象です。特に2:07あたりが好きです。
 夏の夕暮れ時、街路樹もオシャレな路上で演奏してほしい曲です。カフェでテイクアウトしたアイスティーを飲みながら聞きたい。そして最後のジャン!から数秒の後思いっきり拍手したい。

〇13話 地獄の季節 5:41-9:20
 BGMとしては長い一曲、それをシーン6つ跨いでフルで使用、まるでアルバムをめくるような統一感があります。すごい、これが演出の妙。ミレイユと霧香、ノワールという役割から離れた二人は他者とどう関わるのか。
 凛と艶っぽい「美容師」が「このセット代は高いわよ?」と意味深に決める。「夏水仙の女」といい、こういう凄みの有るお姉さまのお声はいいですねえ…対して「元傭兵」ミロシュは器用さに欠け押しも弱い対比。そこがいい。普段とは違う世界に触れる霧香の穏やかな笑顔が印象深い。予告がちょっとあまりにも直球で、この「淡き想い」がどうなるのかそりゃもう予想はできました、できますが、それでも胸が痛みます。この回以降霧香の柔らかさがグッと増すのですが、ソルダの試練と全然関係ないところで大きな痛みを味わい成長したという構成が、全て手のひらの上じゃないんだぞという感じで、小さくても自由があるんだという叫びのようで好きです。
  「気にするな」はミロシュの口癖として繰り返されてきましたが、何となく気まずさを誤魔化すためという感が強かったのに対して、ラストの「いや、いいんだ。気にするな」の響きは名も知らない少女をただ気遣ったように聞こえます。